麻雀を打っていると、ときどき現れて場を沸かせる役が「嶺上開花(リンシャンカイホウ)」です。
頻度は少ないですが、点数も上がり印象にも残る、いわば「ボーナス役」の1つです。
この記事では、単なる用語説明にとどまらず、成立条件・他役との複合・点数計算・ルール差・戦術的な考え方まで、一通りを体系的にまとめます。
読み終わるころには、「どんな場面で嶺上開花が成立するのか」「どこまで狙ってよいか」が自分で判断できるようになります。
💡この記事で理解できるポイント
- 嶺上開花とはどんな役か(読み方・翻数・ツモ役という性質)
- 槓の種類ごとの成立条件や、海底・嶺上牌の位置関係
- 各種役との複合可否と、点数計算・符の考え方
- 三麻やオンライン麻雀での扱い、実戦で槓をするかどうかの判断軸
嶺上開花の成立条件・意味・確率

まずは、「嶺上開花」という役そのもののイメージを固めましょう。
ここでは定義や特徴、読み方・翻数、ほかのツモ系役との位置づけをまとめます。
嶺上開花とはの定義と特徴

嶺上開花は、一言でいうと「槓をしたあとに引く特別な牌でツモ和了したときに付く1翻役」です。
槓(カン)をしないかぎり、絶対に発生しない役だと覚えてください。
定義を順番に書くと、次の流れになります。
- 自分の手がテンパイしている。
- 暗槓・明槓・加槓のいずれかの「槓」を宣言する。
- 槓をしたぶん不足した牌を、山の「嶺上牌(リンシャンパイ)」から1枚引く。
- その嶺上牌が和了牌になっており、そのままツモ和了する。
このときに「嶺上開花」が成立します。
ロン和了では成立せず、ツモ和了だけが対象です。
特徴を整理すると次のようになります。
- 槓を前提とするため、発生頻度はかなり低い。
- 面前でも鳴き手でもかまわず、待ちの形にも制限がない。
- 形の制約が少ないぶん、多くの一般役と複合しやすい。
- 偶然性が高く、狙って出すというより「結果として付くボーナス」に近い。
つまり「条件がそろったときにだけ、運よく乗ってくる1翻役」と考えるとイメージしやすいです。
嶺上開花の読み方・翻数・確率・意味
名前まわりの情報も、ここでまとめて押さえておきましょう。
- 読み方:りんしゃんかいほう
- 日本語での略称:リンシャン、リンシャンツモ
- 中国語表記:杠上开花(簡体字)
- 翻数:1翻役
- 確率:0.3%程度
嶺上開花の意味において、「嶺上」という字は「山の上の峰」のイメージで、山の上から花が開く、という意味合いを持っています。
実際のルールでは、山の特別な位置から取る牌(嶺上牌)でアガることから、この名前が付いています。
翻数は1翻ですが、槓ドラが増えたり、もともとの打点が高い手に乗ったりすると、一気に満貫以上になることもあります。
役そのものは1翻でも、「槓ドラ+偶然役のご褒美」としてのインパクトは大きいといえます。
ツモ役としての位置づけ
嶺上開花は、「ツモ和了でしか成立しない」という意味で、ツモ役の一種と考えられます。
同じく特殊なタイミングで付く1翻役として、次のような役があります。
- 海底摸月(ハイテイ):最後の山(海底牌)でツモアガったとき。
- 河底撈魚(ホウテイ):最後の捨て牌をロンしたとき。
- 搶槓(チャンカン):他人の加槓しようとした牌をロンしたとき。
これらはいずれも「局の特別なタイミングで発生する偶然役」です。
嶺上開花も同じグループに入り、偶然性の高い1翻役として扱われます。

ここまでで、「槓をしたあと特別な場所から取った牌でツモると1翻つく」という大まかなイメージがつかめていれば十分。
このイメージを前提に具体的な条件を細かく見ていくよ。
嶺上開花の成立条件と複合

ここからは、実際の対局で「これは嶺上開花になるのか?」という判断ができるように、条件を丁寧に整理していきます。
暗槓・明槓・加槓ごとの違い、海底との関係、ほかの役と一緒に付くかどうかを一つずつ確認しましょう。
槓の種類ごとの成立条件
嶺上開花は、「どの種類の槓からでも成立する」のが基本です。
対象になる槓は3種類あります。
- 暗槓(アンカン):自分の手牌4枚で作る槓。
- 明槓(ミンカン):他家の捨て牌を加えて作る槓(いきなり4枚で作る大明槓)。
- 加槓(カカン):すでにポンしている面子に、同じ牌を1枚足して槓にする。
どの場合でも、「槓 → 嶺上牌を1枚補充 → その牌でツモ和了」という流れになれば、嶺上開花が成立します。
鳴いていても、門前でも関係ありません。
注意してほしいポイントは次のとおりです。
- ロン和了では成立しない(あくまでツモ限定)。
- 槓をした時点でテンパイになっていてもよいし、もともとテンパイでもよい。
- 連続して槓をしてもよく、その2回目・3回目の嶺上牌でアガっても嶺上開花。
たとえば、暗槓した嶺上牌をツモったら、さらに加槓ができる形になった。
その加槓後、2回目の嶺上牌でツモ和了した場合も、きちんと嶺上開花として認められます。
嶺上牌と海底の関係
次に、「嶺上牌が山のどこなのか」と「海底摸月と複合しない理由」をはっきりさせておきましょう。
嶺上牌の場所
- 山のドラ表示牌のとなりに積まれている4枚の牌
- 槓をしたときに、手牌の不足分を補充するために取る牌
を指します。
通常のツモとは別枠で、「槓のためだけに取る特別な山の牌」というイメージです。
海底摸月(ハイテイ)は「山の一番最後の牌(海底牌)をツモしてアガる役」です。
ここでよくある疑問が、「海底直前に槓をして、その嶺上牌でアガったら、嶺上開花+海底摸月になるのでは?」というものです。
結論から言うと、一般的な日本ルールでは両立しません。理由はこうです。
- 槓ができるのは「海底牌の1枚前」まで。
- そのタイミングで槓をすると、本来の海底牌は「嶺上牌に回されて消える」扱い。
- つまり、その局では海底牌がツモられること自体がなくなる。
このため、海底直前に暗槓や加槓をして、その嶺上牌でアガったとしても、それは「嶺上牌での和了」であって「海底牌での和了」ではありません。
したがって、嶺上開花だけが成立し、海底摸月は付かないという裁定になります。
一部の中国麻雀などでは、ルールを変えて両立を認めるケースもありますが、日本の一般ルールでは基本的に複合しないと覚えておけば困りません。
他役との複合可否一覧
嶺上開花は、形に大きな制約がないので、多くの役と複合します。
ただし「槓子を含む」という前提と、「特殊形の役」との関係から、いくつか複合しない代表例があります。
代表的な複合関係を、表で整理します。
| 役名 | 複合可否 |
|---|---|
| 門前清自摸和 | 〇 |
| 立直 | 〇 |
| 断么九 | 〇 |
| 役牌 | 〇 |
| 一盃口・三色同順など一般役 | 〇 |
| 平和 | × |
| 二盃口 | × |
| 七対子 | × |
| 国士無双 | × |
| 海底摸月 | × |
| 河底撈魚 | × |
| 搶槓 | △ |
特に覚えておきたいのは、「平和・二盃口・七対子・国士無双・海底摸月とは複合しない」という点です。
どれも手牌の形かツモの場所が理由になっているので、セットで記憶すると忘れにくくなります。
他の役の成立条件や特徴を知りたい方は麻雀役の一覧をご覧ください。

この章で一番大事なのは「どの槓からでもOK」「ツモ限定」「平和や七対子など一部の役とは複合しない」の3点です。
嶺上開花の応用と実戦判断

最後に、他の特殊役との違い、ルール差が出やすいポイント、そして実戦で槓をするかどうかの考え方をまとめます。
ここまで理解できていれば、あとは戦術的にどう使うかの話になってきます。
似た特殊役との比較と違い
嶺上開花とよくセットで語られるのが、次のような「特殊状況役」です。
- 海底摸月(ハイテイ):山の最後の1枚(海底牌)をツモってアガる1翻役。
- 河底撈魚(ホウテイ):最後の捨て牌をロンしてアガる1翻役。
- 搶槓(チャンカン):他人が加槓しようとした牌をロンしてアガる1翻役。
これらとの違いを、ざっくりと整理します。
タイミング
- 嶺上開花:槓をした直後の補充ツモ。
- 海底摸月:局の最後の通常ツモ。
- 河底撈魚:局の最後の打牌をロン。
- 搶槓:他人の加槓宣言に対してロン。
アガリ方
- 嶺上開花・海底摸月:どちらもツモ役。
- 河底撈魚・搶槓:どちらもロン役。
同時成立の可否(日本一般ルール)
- 嶺上開花+海底摸月:不可(山の牌の位置が異なる)。
- 嶺上開花+河底撈魚:理論上同時に発生しない(ツモとロンが同時に起こらない)。
- 嶺上開花+搶槓:同じくツモとロンが同時に起こらないため不可。
ここから分かるように、嶺上開花は「槓という行為にひもづいたツモ役」であり、海底や捨て牌とは直接関係しません。
そのため、ルールを知っていれば判定はシンプルです。
ルール差・三麻での扱い
嶺上開花は、「大枠の定義は共通だが、細かい部分にルール差が出やすい役」です。
主に次の点は、対局前に確認しておくと安心です。
特に三人麻雀では、「北抜きドラ」のルールがある場合があります。
- 北を抜いて牌を引く。
- その牌でツモ和了する。
という流れを、槓をしていなくても嶺上開花と認めるルールが一部で採用されています。
ネット麻雀だと、天鳳・雀魂はこの形を嶺上開花として扱いますが、別のサービスでは採用していない場合もあります。
また、大明槓からの嶺上開花について、
- 槓をさせた人が全額を支払う「責任払い(包・パオ)」にする。
- 通常のツモと同じように、3人から分配して支払う。
のどちらかはルール次第です。
台湾麻雀などでは、そもそも大明槓からの嶺上開花を「チョンボ扱い」とするきびしいルールもあります。
フリー雀荘や大会では、必ず事前に説明を受けるので、そこをよく聞いておくとトラブルを防げます。
槓ドラについても要注意です。
多くのルールでは、暗槓・明槓ともに「槓宣言と同時か、嶺上ツモの直後」にドラ表示牌がめくられ、和了時にはその槓ドラが有効です。
一方で、「明槓では、嶺上牌をツモって打牌したあとに槓ドラをめくる」という取り決めがある場合、嶺上開花で打牌前にアガると、槓ドラが有効にならないことがあります。
槓判断と嶺上開花の狙い方
最後に、「嶺上開花をどのくらい狙うべきか」「どんなときに槓をしてよいのか」を整理します。
結論としては、嶺上開花を狙って槓をすることは基本的におすすめしません。
理由はシンプルで、
- 槓をしても、嶺上牌でちょうど和了牌を引く確率はかなり小さい。
- 槓をしたことで、手の形や待ちが悪くなったり、他家に情報を与えたりする。
- 明槓で他に役がないと、嶺上でアガれなかったときに「役なし」で上がれないことがある。
といったリスクのほうが大きいからです。
実戦で考えるべきなのは、「嶺上開花を狙うための槓」ではなく、「槓そのものを打点・速度・安全度から見て打つべきか」です。
嶺上開花は、その結果としてたまたま付いてくるボーナスと考えましょう。
槓をしてよい主なパターンをまとめると下記です。
💡槓をしてよい主なパターン
- すでに役があり、テンパイしていて、槓をしても待ちが悪くならない。
- 終盤で点差的に打点アップがほしいときで、槓ドラの期待値が高い。
- 親番で、他家にプレッシャーをかけつつ自分の手を伸ばしたいとき。
逆に、オーラスでラス目なのに、危険牌の槓をして放銃リスクを大きくしてしまう、というのはおすすめできません。
「槓ドラを増やすメリット」と「手牌・守備・情報のデメリット」を天秤にかけるのが基本です。
嶺上開花は、その計算に入れなくてもよい程度の「おまけ」として考えておくと、安定した判断がしやすくなります。

嶺上開花は華やかな役だけど、意識するべきはあくまで「槓の価値」だよ。
槓(カン)のメリット・デメリットの理解が非常に重要ということだね。
総括:嶺上開花を実戦で活かすための要点まとめ

最後に、この記事の内容を要点だけ振り返ります。
対局前や対局後の復習に、ざっと目を通せる形でまとめました。
💡麻雀の嶺上開花のまとめ:
この10点を押さえておけば、「嶺上開花とは何か」「いつ成立してどのくらい強い役か」「どの場面で意識すればいいか」が、自信を持って説明できるようになります。
あとは実際の対局で、出会ったときにこの記事を思い出しながら、少しずつ感覚を自分のものにしていきましょう。


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