河底撈魚(ホウテイラオユイ)は、麻雀の終盤でだけ出現する特殊な1翻役です。
「最後に誰かが捨てた一枚」でロンするとつく役、と覚えておくとイメージしやすいです。
一方で、よく似た海底摸月(ハイテイモーユエ)や、「海底牌」「河底牌」「王牌」などの用語が混ざりやすく、成立条件やフリテン時の扱いをあいまいなまま打っている人も少なくありません。
この記事では、河底撈魚の基本から細かいルール、読み方、確率、実戦での考え方までを順番に整理します。
💡この記事で理解できるポイント
- 河底撈魚とは何か(読み方・意味・翻数・つく場面)
- 海底牌・河底牌・海底摸月との関係と用語の整理
- フリテン・リーチ・槓・海底ズラしと河底撈魚の細かいルール
- 実戦での狙い方・避け方、ルール差や歴史的背景までの総合理解
河底撈魚とはの基本(読み方・成立条件・確率)

まずは河底撈魚の定義や、関連する終盤用語を整理します。
ここが分かると、後の細かいルールや戦術もすっと入ってきます。
河底撈魚の読み方と意味
河底撈魚の読み方は「ホウテイラオユイ」です。
略して「河底(ホウテイ)」と呼ぶことが多く、一般には「海底ロン」「ハイテイロン」と言う人もいますが、正確には河底撈魚が正式名称です。
意味は、文字どおり「川底の魚をすくい上げる」というイメージです。
麻雀では、
- その局で最後に河に捨てられた牌(河底牌)
- その牌でロン和了したとき
に成立する1翻役を指します。
ポイントをまとめると、
- 役の種類:1翻役(偶然役)
- 和了のしかた:ロンのみ(他家の捨て牌でアガる)
- タイミング:その局の最後の一打でロンしたとき
- 手の形:どんな形でもよい(役牌・タンヤオ・チートイなど何でも可)
- 副露:鳴いていても問題なくつく
つまり、手の内容には一切条件がなく、「どの牌で、いつロンしたか」だけで決まる役です。
また、河底撈魚と対になるツモ役が海底摸月(ハイテイモーユエ/海底ツモ)です。
こちらは「山の最後のツモ牌(海底牌)でツモアガリした場合」につきます。
河底撈魚の成立条件と確率

ここでは、河底撈魚がつくための条件を、誤解しやすい点も含めて整理します。
基本条件
- その局で最後に捨てられた牌=河底牌でロンしている
- 和了方法はロンのみ
- 面前でも鳴いていてもよい
- 待ちの形は不問(両面・カンチャンなど何でもよい)
大事なのは、「誰の捨て牌か」は問わないことです。
親でも子でも、その局で一番最後に河に出る一枚が河底牌になります。
その牌でロンした人に河底撈魚がつきます。
たまにある勘違いとして、「最後のツモ牌をツモ切りした牌だけが対象」と思われがちですが、これは誤りです。
実際には、
- 海底牌をツモった人が、ツモ牌をそのまま切っても
- ツモ牌と手牌を入れ替えて、別の牌を切っても
その「最後に捨てられた一枚」こそが河底牌です。
どの牌を切るかは自由で、何を切ったとしても、それが局のラストの捨て牌なら条件を満たします。
また、河底牌は鳴くことができません(ポン・チー・カン不可)です。
鳴かれてしまうと「最後の捨て牌」がどれなのかが変わってしまうため、ルール上認められていません。
河底撈魚の出現確率としては0.5%程度と低く、偶然性が極めて高い役なため、上がれたらラッキーくらいの気持ちでいましょう。
河底牌と海底牌の違い
河底撈魚を理解するには、「海底牌」「河底牌」「王牌」の位置関係を押さえると分かりやすくなります。
ここでは簡単な表で整理します。
| 用語 | 読み | 位置・意味 | 関係役 |
|---|---|---|---|
| 王牌 | ワンパイ | 山の最後の14枚。基本的に誰もツモらない。 | 嶺上開花 |
| 海底牌 | ハイテイハイ | 王牌の直前の、山の最後のツモ牌 | 海底摸月 |
| 河底牌 | ホウテイハイ | 海底牌をツモったあとに、最後に河に捨てられる牌 | 河底撈魚 |
流れとしては、
- 壁牌(山)から最後の一枚=海底牌がツモられる
- ツモった人がアガらず牌を1枚捨てる
- その捨て牌が河底牌になる
- その牌でロンされれば河底撈魚、誰もロンしなければ流局
となります。
ここで重要なのは、「海底」は局の最後のツモと打牌の場面全体を指す総称だということです。
- 海底摸月:その場面でツモアガリした場合
- 河底撈魚:その場面で打った最後の牌でロンされた場合
この2つをまとめて「海底(ハイテイ)」と呼ぶことがありますが、厳密には
- ツモなら海底摸月
- ロンなら河底撈魚
と名前が違う点を押さえておきましょう。

河底撈魚は「どの牌か」ではなく「いつ捨てられたか」がポイント。海底牌と河底牌の位置関係さえ押さえれば、難しく考えなくても大丈夫だよ。
河底撈魚とは?ルール整理

ここからは、河底撈魚をめぐる細かいルールを整理します。
海底摸月との違い、フリテン時の扱い、槓や海底ズラしの影響など、実戦で迷いやすいポイントをまとめて確認しましょう。
河底撈魚と海底摸月
まず、よくセットで語られる「海底摸月」との違いを、具体的に見ていきます。
海底摸月の条件は下記になります。

そして、要は河底撈魚と海底摸月は類似役ですが、違いは下記になります。
和了方法
- 海底摸月:ツモ
- 河底撈魚:ロン
どの牌か
- 海底摸月:海底牌そのもの
- 河底撈魚:海底牌をツモった人が最後に捨てた牌(河底牌)
フリテンとの関係
- 海底摸月:自分のアガリ牌を捨てていてもツモアガリ可能(一般的ルール)
- 河底撈魚:フリテン状態ではロン不可、つまり河底撈魚も不成立
他役との複合
- 海底摸月は門前ならツモ役と複合
- 河底撈魚はロン役なのでツモ系の役とは関係なく、ほとんどの役と複合可能
※他役について気になる方は、麻雀の役一覧からご覧ください!
どちらも「偶然役」であり、手作りで狙うよりも、局の流れの中でたまたまつくことがほとんどです。
ただし点数計算上はきちんと1翻として扱われるので、終盤の押し引きでは軽視できません。
フリテンと河底撈魚
フリテンと海底周りの役は、とくに混乱しやすいポイントです。
ここでは結論をはっきりさせます。
結論:フリテン時に河底撈魚ではロンできません。
理由はシンプルで、河底撈魚はあくまで通常のロン和了に「おまけで1翻つく役」だからです。
フリテン状態ではそもそもロンができないので、河底撈魚も成立しません。
一方、海底摸月(ハイテイツモ)はツモ役です。
一般的な日本ルールでは、フリテンでもツモアガリは認められています。
なので、自分の捨て牌にアガリ牌があっても海底牌をツモってアガれば海底摸月として和了することができます。
整理すると、
- 河底撈魚:フリテンならロンできない → 河底撈魚もつかない
- 海底摸月:フリテンでもツモアガリ可 → 海底摸月はつく
となります。
また、リーチとの関係でよくあるのが、「いつまでリーチしていいのか」という問題です。
現在広く使われているルールでは、「山に4枚以上残っていないとリーチできない」とするのが一般的です。
これは「リーチした人のツモが1回は残る状態でなければならない」という考え方です。
古いローカルルールでは、「海底の直前だけリーチ禁止」として、それ以前なら残り枚数にかかわらずリーチ可能とするものもあります。
フリー卓・ネット麻雀では卓ごとのルール説明で確認しておきましょう。
槓と海底ズラしの影響
槓(カン)や「海底ズラし」は、海底牌・河底牌の位置を変え、結果として海底摸月や河底撈魚の成立にも影響します。
海底で槓ができない理由
海底場面そのものでは、暗槓・加槓ともに禁止されるのが一般的です。
理由は、槓をすると嶺上牌を1枚取る必要があり、山の最後に残すべき王牌が13枚になってしまうためです。
王牌14枚という前提が崩れるため、ルール上認められていません。
海底直前で槓したケースで具体的に説明します。
海底牌の一つ手前の牌で槓が行われることはあります。
この場合、
- 槓をした人は嶺上牌を1枚ツモる
- このとき、本来山に残っていたはずの海底牌は「使われない牌」として消えた扱いになる
- 仮に最後のツモ牌が嶺上牌で上がったとしても、海底牌ではないため、海底摸月は成立しません。
つまり、嶺上開花と海底摸月は複合しません。
海底牌そのものをツモっているわけではないので、海底摸月の条件を満たさないからです。
一方、河底撈魚については少し違います。
- 海底の一つ手前で槓が行われる
- 槓後の打牌(槓のあとに捨てる牌)が、その局の最後の捨て牌=河底牌になる
- その牌で誰かがロンした場合 → このロンには河底撈魚がつく
つまり、嶺上開花でアガったときは海底・河底の役そのものが発生しませんが、槓後の最後の捨て牌でのロンには河底撈魚がつく、という整理になります。
海底ズラしの影響
海底ズラしとは、
誰かが海底摸月(ハイテイツモ)を狙っていそうなときチーやポンをしてツモ番を入れ替え底牌を別の人にツモらせる
といったテクニックです。
このとき変わるのは、
- 誰が海底牌をツモるか
- したがって、誰の打牌が河底牌になるか
です。
結果として、海底摸月になりそうだった和了が消えたり、逆に別の人の河底撈魚のチャンスが生まれたり、という変化が起こります。
ポイントは、「海底・河底は盤面の巡目と鳴きで動くもの」という理解です。
自分や相手がどの順番でツモるかをイメージできるようになると、海底摸月や河底撈魚への意識もぐっと実戦的になります。

ルールを覚えるときは、「槓が入ると海底牌そのものが変わりうる」「嶺上は海底役と複合しない」「フリテンでは河底ロンできない」の3点をまず押さえておくと、さらに理解が深まるよ。
河底撈魚とはの実戦とQ&A

ここまでで定義とルールを整理したので、最後に「実戦でどう扱うか」を中心にまとめていきます。
狙い方・避け方、ルール差やQ&Aまで確認しておくと、終盤の判断がぶれにくくなります。
河底撈魚の実戦活用法
まず押さえたいのは、河底撈魚は「ねらいにいく主役の役」ではなく、「最後まで形を維持していればおまけでつく役」だということです。
テンパイ側の考え方
終盤にテンパイしているときは、
- 残りツモが少なくても、できるだけテンパイを維持する
- 海底直前までアガリ目を残しておけば、「ツモれば海底摸月」「他家が最後に捨てた牌でロンすれば河底撈魚」
と、最後の最後までチャンスが残ります。
とくに点差が詰まっている場面や、半荘のオーラスでは、
といったことも少なくありません。
無理な危険牌を押す必要はありませんが、「安全牌でテンパイを崩してしまうと、海底・河底のチャンスも消える」ということは意識しておく価値があります。
放銃側の考え方
一方で、海底牌をツモった人は、その後の一打が全員にとって「最後のロンチャンス」になります。
のが基本です。
最後だからといって気を抜いた一打が、河底撈魚+他の役で大きな放銃になりがちなので、「最後だからこそ丁寧に打つ」ことを心がけましょう。
偶然役と採用ルール差
河底撈魚と海底摸月は、多くのルールで「偶然役」として扱われます。
ここではその意味と、ルール差による違いを整理します。
一般的なルール
現代の多くのルールやネット麻雀では、
- 河底撈魚・海底摸月ともに1翻役
- これだけでも1翻としてアガリ可能(点数計算に含まれる)
- 他に役があれば、その翻数に+1翻される
という扱いになっています。
つまり、形式テンパイ(待ちがあるだけの手)からでも、海底・河底だけでアガることができます。
完全先付け・偶然役制限ルール
一部の団体やローカルルールでは、これらを「偶然役」とみなし、偶然役だけでのアガリを禁止している場合があります。
たとえば、下記のルールでは、「河底撈魚単独1翻だけのアガリは認められない」という扱われることがあります。
- 完全先付けのルール
- 「偶然役単独ではアガリ不可」とするルール
※完全先付けルールは、麻雀のありあり・なしなしルールについて見てみてください。
この場合、たとえば
となります。
フリー雀荘や大会では、ルール説明に「偶然役の扱い」「完先かどうか」が書かれていることが多いです。
打つ前に必ず確認しておくことをおすすめします。
河底撈魚に関するQ&A
最後に、よくある疑問をQ&A形式で整理します。
Q1. 河底撈魚と海底摸月は同時につきますか?
A. いいえ、同時にはつきません。
海底摸月はツモアガリの役、河底撈魚はロンアガリの役なので、同じ和了で両方が成立することはありません。
Q2. 「海底ロン」「ハイテイロン」という言い方は間違いですか?
A. 厳密には、ロンの役は「河底撈魚(ホウテイ)」が正しい名称です。
ただし実戦の会話では、
- 海底摸月 → 海底ツモ(ハイテイツモ)
- 河底撈魚 → 海底ロン(ハイテイロン)
と呼ぶ人も多く、意味は通じます。
ルールブックや公式文章では「河底撈魚」と表記されることがほとんどです。
Q3. 河底撈魚は鳴いていてもつきますか?
A. つきます。
河底撈魚は門前限定ではなく、ポン・チー・明槓をしていても問題ありません。
待ちの形も一切不問です。
Q4. 河底撈魚と嶺上開花は複合しますか?
A. しません。
槓の嶺上牌でアガったときは、その嶺上牌が実質的に「局の最後の牌」となり、本来の海底牌・河底牌は存在しない扱いになるためです。
したがって、嶺上開花と海底摸月・河底撈魚はいずれも複合しません。
Q5. 歴史的にはいつからある役ですか?
A. 河底撈魚は「日本独自のルール整備のなかであとから追加された役」とされています。
大正〜昭和初期にかけて、河(捨て牌列)の概念が整う過程で「河の最後のロン和了」を1つの役として認めるようになりました。
現在では多くの団体・ルールで採用されていますが、ごく一部で未採用や扱いが異なるケースもあります。
河底撈魚の総括:要点と実戦での意識ポイント

最後に、ここまでの内容をまとめます。
復習と、実戦で意識するときのチェックリストとして使ってください。
💡麻雀の河底撈魚のまとめ:
河底撈魚とは何かをきちんと理解しておくと、終盤の一打の重みがよく見えるようになります。
ルールと位置関係を頭に入れたうえで、自分の打っているルールでの「偶然役の扱い」だけは必ず確認し、実戦の押し引きに生かしていきましょう。


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