麻雀の「大四喜(ダイスーシー)」は、東・南・西・北の4種類の風牌をすべて刻子(または槓子)にした超レア役です。
同じ四風牌を使う「小四喜(ショウスーシー)」と合わせて「四喜和(スーシーホー)」と呼ばれ、どちらも役満に分類されます。
ただし、点数の扱い(役満かダブル役満か)、他の役との複合、パオ(包)の支払いなどは、ルールや卓によって差があります。
この記事では、大四喜の基本から、実戦での狙い方・リスク管理・ネット麻雀での注意点まで、まとめて整理します。
💡この記事で理解できるポイント
- 大四喜・小四喜の正確な牌構成と成立条件
- 大四喜と小四喜の点数差・高目安目の考え方
- 字一色・四暗刻などとの複合条件とルールの注意点
- パオ(包)ルールや実戦での狙い方・やめどきの判断基準
大四喜の成立条件・確率等の基本情報

まずは、大四喜の「形」と「ルール」を押さえます。
ここが分かれば、小四喜との違いや複合役も理解しやすくなります。
大四喜の牌構成と形

大四喜の定義はとてもシンプルです。
東・南・西・北の4種類すべてを刻子(または槓子)にする。
これが大四喜の成立条件します。門前である必要はなく、ポン・カンしても問題ありません。
基本形は次のようになります。
たとえば、こんな形です。

どちらも「4風刻子+1雀頭」の合計14枚となり、大四喜になります。
ここで重要なのは、
- 4つの風牌はすべて刻子または槓子
- 雀頭はどの牌でもかまわない(数牌でも字牌でも良い)
という2点です。
また、4組すべてが刻子形なので、形としては対々和(トイトイ)ですね。
役満があるのでトイトイの点はあまり意味を持ちませんが、形の理解には役立ちます。
簡単そうに見えますが、大四喜の出現確率は約0.01%であり、非常に低い役であることを覚えておきましょう!
大四喜の待ち方と牌効率
大四喜のテンパイ形は、実はかなり限定されています。
4組の風刻子が確定しているので、残りは雀頭だけになるためです。
大四喜の待ちは、基本的に次の2種類だけです。
- シャボ待ち:
雀頭候補が2組あり、そのどちらかが刻子になればアガリ。 - 単騎待ち:
雀頭になる1枚だけを待つ形。
例えば、次のようなテンパイが考えられます。
【大四喜のシャボ待ちの例】


が待ちであり、
だと大四喜が成立する。
【大四喜の単騎待ちの例】

が待ち。
大四喜を目指すときは、大四喜が確定する単騎待ちにできるような形が理想です。
小四喜との形の違い
小四喜との違いは、構造を1回整理してしまうと混乱しません。
小四喜
- 4つの風牌のうち、3種類を刻子/槓子
- 残り1種類の風牌を雀頭にする
- 残り1面子は自由(数牌でも字牌でもよい)
大四喜
- 4つの風牌すべてを刻子/槓子
- 雀頭はどの牌でもよく、風牌である必要はない
必要な風牌の枚数を比べると分かりやすいです。
| 役名 | 風牌の刻子数 | 風牌の雀頭 |
|---|---|---|
| 小四喜 | 3組 | 1組 |
| 大四喜 | 4組 | 0組 |
上記のように大四喜は全ての風牌の刻子が必要なため、難易度が「小四喜<大四喜」となります
実戦では、
といった方針になりやすいです。

まずは「4風全部刻子=大四喜」「3風刻子+1風雀頭=小四喜」とシンプルに覚えてね。待ち方は基本的にシャンポンか単騎のどちらかしかない、という点も押さえておくと牌姿がイメージしやすくなるよ。
大四喜と小四喜の違い

この章では、大四喜と小四喜をしっかり比較します。
点数や高目・安目の考え方を理解すると、実戦での「どこでアガるか」が見えてきます。
小四喜の成立条件

小四喜は、4種の風牌を「3刻子+1雀頭」で使う役満です。
条件を分解すると次のようになります。
- 東・南・西・北のうち3種類が刻子(または槓子)
- 残り1種類の風牌が雀頭(2枚)
- 残り1面子は自由(数牌でも他の字牌でもよい)
- 鳴きOK(ポン・カンをしても役満)
大四喜との大きな違いは、1種類の風牌を雀頭に回せる点です。
そのぶん、必要な風牌が少なくなり、成立しやすくなります。
大四喜と小四喜の点数差
点数面では、一般的に次のような扱いが多いです。
多くのフリー雀荘やオンライン麻雀では、「大四喜も役満1つ」とするケースが多めです。
一方で、競技ルールや一部のローカルルールでは、「大四喜はダブル役満(役満の2倍の点数)」とされることもあります。
大四喜の方が必要牌が多く、明らかに難しいため、大四喜を上位役満とみなすルールがあるというイメージで覚えておきましょう。
ローカルルールが入りやすいポイントなので、
を開始前にチェックしておくと安心です。
高目大四喜と安目小四喜
大四喜がダブル役満、小四喜が役満というルールでは、同じテンパイから「高目大四喜・安目小四喜」になる形がよく話題になります。
例を見てみます。

この形は、
で和了:
→


がすべて刻子 → 大四喜(高目)
で和了:
→
が雀頭、

が刻子→ 小四喜(安目)
となります。
このときの判断ポイントは、点棒状況です。
- 小四喜では条件戦をクリアできないなら、大四喜を強く狙う価値が高い
- 上記以外の場合は、小四喜でも即アガリ推奨
など、局面によって選び方が変わります。

実戦では「高目大四喜、安目小四喜」の形に出会うことは少ないですが、出たときのインパクトが大きいテーマだよ。大四喜がダブル役満かどうかを、卓に座る前に必ず確認するようにしてね。
大四喜の点数と複合役(字一色等)

大四喜は、それ単体でも強烈な役ですが、他の役満と複合すると一気に点数が跳ね上がります。
この章では、一般的な点数扱いと、よく話題になる複合役を整理します。
大四喜は役満かダブル役満か
まず、大前提として大四喜は役満の一種です。
ただし、その「重み」はルールによって違います。
よくあるパターンは次の2つです。
- 役満1つとして扱う(多くの一般ルール・ネット麻雀系)
- 大四喜だけダブル役満として扱う(競技系・一部のローカルルール)
どちらのケースでも、小四喜はほぼ必ず「役満1つ」です。
大四喜と小四喜が同格(どちらもシングル役満)か、大四喜だけ上位(ダブル役満)になるかの違いと考えてください。
また、複数の役満が同時に成立したときに
もルールで分かれます。
点数の上限(ダブル役満まで/トリプルまで/青天井など)も含めて、事前に把握しておきましょう。
大四喜と字一色の複合
大四喜は、字一色(ツーイーソー)と非常に相性がいい役です。
字一色の成立条件は下記です。

大四喜はすでに


の4面子が風牌刻子で確定しているので、雀頭を字牌にするだけで字一色が完成します。
【大四喜と字一色の複合手牌】

この形は、
- 東南西北すべて刻子 → 大四喜
- 手牌に数牌が1枚もない → 字一色
となり、大四喜+字一色の複合役満になります(複合が許されるルールの場合)。
大四喜と四暗刻ほか複合
大四喜は、暗刻が多くなりやすいため、四暗刻(スーアンコー)との複合も狙えます。
四暗刻の成立条件は下記です。

大四喜と四暗刻を複合させるには、
【大四喜と四暗刻の複合手牌】

※


は暗刻
この場合、



が刻子 → 大四喜- 暗刻が4組 → 四暗刻
という複合形になります。
ほかにも、自然につく/複合しうる役としては
があります。
ただし、役満や通常役同士の複合をどこまで認めるかはルール次第です。
大四喜+四暗刻+字一色のような「トリプル役満以上」は禁止しているルールも多いので、遊ぶ前に確認しておきましょう。

大四喜は「字一色」「四暗刻」との相性がとても良く、理論上はとんでもない点数が出るよ。
でも、複合役満の扱いは卓ごとにかなり差があるので、「ここまでが上限」と決まっているかどうかを必ずチェックしてね。
大四喜の狙い方と包(パオ)

この章では、実戦面の話をします。
「どんな配牌なら狙ってもいいのか」「どこでやめるか」「パオをどう避けるか」を具体的に考えていきます。
大四喜を狙う配牌と局面
大四喜は、意識しても簡単には作れない超レア役です。
無理に狙うと、ほとんどの場合は手が遅れて失点につながります。
現実的に「狙ってもよい」配牌・局面の目安は次のようなイメージです。
- 1巡目〜2巡目の時点で風牌がかなり多い
例:各風牌が2枚以上+他牌 など - すでにラス目で、通常の手作りでは逆転がほぼ見込めない終盤の局
こうした条件がそろって初めて「意識してみようか」と考えるレベルです。
逆に、
といった場面では、大四喜狙いはほぼ無謀と考えてください。
普通の手をしっかり作る方が、トータルでの勝率は確実に上がります。
大四喜を狙いつつ他役も狙うという戦略もありますが、その場合麻雀役を全て知っておく必要があります。麻雀役を網羅的に覚えたい方は麻雀の役一覧をご参照ください。
大四喜を鳴く判断とリスク
大四喜・小四喜はどちらも鳴きOKです。
ポンやカンを使えば、スピードを一気に上げられます。
ただし、風牌を3回も4回もポンしていれば、相手はほぼ100%役満を警戒してきます。
鳴きの判断では、次のポイントを意識しましょう。
また、風牌を鳴いていると、周囲は「風牌を絞る(なかなか切らない)」ようになりがちです。
その結果、
という苦しい展開になることもあります。
大四喜とパオの責任払い
大四喜で特に重要なのが、パオ(包)ルールです。
これは、「特定の人が大四喜成立に大きく関わった場合、その人が点数を多く払う」という責任払いの仕組みです。
代表的なパターンは次のようなものです。
すでに風牌を3種類ポンしている人に、残り1種類の風牌を打ってポンさせる
→ その瞬間、「大四喜確定の形」ができてしまう
→ この最後の風牌を打った人がパオになる
支払い方法の例としては、
などがあります。
さらに、大四喜が他役満と複合している場合に、
- パオ者が負担するのは「大四喜分だけ」か
- 「複合役満の合計点」まで支払うのか
もルールでかなり違います。
パオを避けるための基本的な考え方はシンプルです。
特に、場の雰囲気やルール上「パオあり」と分かっているときは、風牌をむやみに押さないようにしましょう。

大四喜にパオがあると、「なんとなく出した1枚」で一気に致命傷になることがあるよ。
誰かが風牌を2回以上ポンしたら「残りの風は基本切らない」という意識を持つだけでも、大きな事故はかなり減らせるから、気を付けてね。
大四喜に関するQ&Aと総括

最後に、大四喜を他の役満と比べたときの難易度や、ネット麻雀特有のルールの注意点をまとめます。
他の役満との難易度比較
大四喜は、役満の中でもかなりレアな部類です。
理由はシンプルで、「使う牌の種類が4種と多く、必要枚数も多い」からです。
ざっくり比較すると次のようなイメージになります。
字牌は4枚ずつしか存在しないため、12枚集める大四喜は、山にある3/4の風牌をほぼ独り占めするレベルになります。
他家の手配や鳴きにも風牌が流れるので、自然にはなかなかそろいません。
また、天和、地和などの「条件は厳しいが、一発で決まる」役満と違い、大四喜は途中の鳴きや引き運に強く左右されるのも特徴です。
出現頻度としては、
という位置づけで考えるとよいでしょう。
ネット麻雀での大四喜ルール
ネット麻雀(例:雀魂、天鳳、MJ、ほか各種アプリ)では、大四喜に関して次のポイントを確認しておくと安心です。
多くのオンラインゲームでは、
- 大四喜=役満1つ
- 小四喜も役満1つ
- 役満複合は「すべて合算」か「上位のみ採用」に仕様が分かれる
- パオは採用していないケースも多い
という設定がメジャーです。
具体的な内容は、各サービスのルールページ(例:雀魂公式サイト など)で必ず確認してください。
大四喜の要点とまとめ
最後に、大四喜まわりの要点を整理しておきます。
💡大四喜に関する要点:

四喜は、狙いに行くというより「条件が自然にそろったら全力で押し切る」タイプの役満だよ。
普段は無理に追いかけず、配牌や局面が極端に向いているときだけギアを上げる。このくらいの距離感で付き合うと、成績も安定するよ。



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