三色同刻とは?成立条件、鳴きの可否、確率等を解説

麻雀雑学
こんな方におすすめの記事です
  • 「三色同刻って名前は聞くけど、どんな役か分からない」という人
  • 三色同順との違いや、どれくらいレアなのかを知りたい人
  • 実戦で「狙うべきか、やめるべきか」の判断基準を身につけたい人
  • 三色同刻と複合しやすい役や、フリテン・役なしの落とし穴を避けたい人
  • Mリーグなどのプロ対局での三色同刻の扱いや話題を知りたい人

三色同刻は「三色同順に名前が似ているけれど、ほとんど見ない幻の2翻役」です。
ルールや点数を知るだけでなく、「いつ意識するべきか」「どこからが無理攻めなのか」を理解しておくと、実戦で迷いにくくなります。

💡この記事で理解できるポイント

  1. 三色同刻の正式な定義と、三色同順との違い
  2. 翻数・鳴きの扱い・役満との関係など、ルール面の整理
  3. レア度と実戦での評価、「狙う/狙わない」の判断基準
  4. 複合しやすい役や、注意すべき落とし穴・フリテンのポイント

三色同刻の基礎知識と定義

まずは「三色同刻とは何か」を、具体的な牌姿とともに整理します。
三色同順との違いもここでしっかり押さえておくと、後の戦術の話が理解しやすくなります。

▼この章で理解できること

  • 三色同刻の正しい定義と読み方
  • 実際の牌姿イメージ(どんな並びになれば完成か)
  • 三色同刻と三色同順の役としての違い
  • 三色同刻が「幻の2翻役」と呼ばれる理由の入り口

三色同刻とは何か

三色同刻は、萬子・筒子・索子の3種類すべてで、同じ数字の刻子(または槓子)を作る役です。

  • 刻子(コーツ):同じ牌3枚のセット(例:3m3m3m
  • 槓子(カンツ):同じ牌4枚のセット(例:3m3m3m3m

三色同刻の条件は次のようになります。

  1. 萬子・筒子・索子の3種類をすべて使う
  2. 数字は3種類とも同じ
  3. それぞれ刻子または槓子になっている

たとえば「1m1m1m」「1p1p1p」「1s1s1s」がそろっていれば、その3組だけで三色同刻の条件を満たします。
残りの1面子と雀頭は、どんな形でもかまいません。

  • 残りの1面子は順子でも刻子でもOK
  • 雀頭は数牌でも字牌でもOK

つまり、三色同刻は「4面子+1雀頭」のうち3面子が、『三色で同じ数字の刻子』になっている形だと考えると分かりやすいです。

三色同刻の牌姿例

実際の完成系をいくつか見てみましょう。
ここでは分かりやすく、数字だけで表します。

【中張牌で作る三色同刻の例】

【中張牌で作る三色同刻の例】
m222p222s22789中中

この手は2m2p2sのそれぞれ刻子で三色同刻が完成しています。
残りは7s8s9sの順子と、7zの雀頭です。

端牌で作る三色同刻の例

【端牌で作る三色同刻の例】
m111p111s111666中中

この手は1m1p1sのそれぞれ刻子で三色同刻が完成しています。
このように、三色同刻以外の面子や雀頭は完全に自由です。

【槓子を含む三色同刻の例】

【槓子を含む三色同刻の例】 
m1111p111s111666中中

1m萬だけ4枚の槓子になっていますが、三色同刻は「刻子と槓子が混ざっていてもOK」です。
1m1p1sが同じ数字の刻子(または槓子)になっているので、問題なく役が成立します。

このように、牌姿そのものはシンプルですが、3種類すべて同じ数字の刻子をそろえること自体が非常に難しい役です。

三色同刻と三色同順の違い

名前がよく似ている「三色同順」と比べてみましょう。
混同しやすいので、表で整理します。

項目三色同刻三色同順
役の内容三色で同じ数字の刻子(槓子可)三色で同じ数字の順子
種類刻子系の役順子系の役
基本翻数2翻2翻
鳴き時食い下がりなし(2翻のまま)1翻に食い下がり
出現頻度きわめて低い(四暗刻級)よく見るメジャー役
実戦での評価ロマン役・見物役寄り実用性の高い主力役

どちらも「三色で同じ数字」という点は同じですが、

  • 三色同刻:刻子(同じ牌3枚)の組合せ
  • 三色同順:順子(連番3枚)の組合せ

という違いがあります。

順子は「234」「345」など組み合わせが多く、ほかの役と両立しやすいので頻繁に狙えます。
一方で刻子は、同じ牌を3枚そろえる必要があり、ポンを使ってもなかなかそろいません。

このため、三色同順は日常的に使う主力役、三色同刻は「たまにできたら自慢できる激レア役」という位置づけになります。

てりやき
てりやき

三色同刻はルール上はシンプルだけど、三色同順とは「実戦での意味」がまったく違うよ。名前だけでなく、「刻子の三色」「順子の三色」と役のイメージごと分けて覚えておくと混乱しないよ。

三色同刻のルールと点数

ここでは、三色同刻の成立条件・翻数・鳴きの扱い・役満との関係を整理します。
細かいルールを正しく理解しておくと、点数計算やフリテン回避にも役立ちます。

▼この章で理解できること

  • 三色同刻が成立するための具体的な条件
  • 翻数・鳴き可否・門前時の扱いとローカルルール

三色同刻の成立条件

改めて、三色同刻の成立条件を整理します。ここをきちんと押さえれば、形の見落としが減ります。

成立条件は次の4つです。

  1. 萬子・筒子・索子の3種類をすべて使う
  2. 数字は3種類とも同じ
  3. それぞれ刻子または槓子になっている

たとえば、7m7m7m7p7p7p7s7s7sのように、3つがそろっていれば、それだけで三色同刻の条件を満たします。

残りの1面子は下記のどちらでもOKです。雀頭も同様に何でもかまいません。

  • 2m3m4mのような順子
  • 7z7z7zのような刻子

また、待ち形にも制限はありません。

ポイントは「三色同刻の部分だけきちんと揃っているかどうか」であり、それ以外はかなり自由度が高いということです。

三色同刻の翻数と鳴き

標準的なルールでは、三色同刻は2翻役です
ここでの重要ポイントは2つあります。

  1. 鳴いても翻数が下がらない
  2. ローカルルールでは門前3翻にする場合もある

まず、もっとも広く使われているルールでは、

  • 門前:2翻
  • 鳴き(ポン・明槓):2翻のまま

となります。
三色同順のように「鳴くと1翻に下がる(食い下がり)」ことはありません。

これは、三色同刻がきわめて難しい役であり、鳴いてもそう簡単にはできないことが理由です。
そのため、三色同刻を狙うときはポンを積極的に使いやすいという特徴があります。

一方で、一部のローカルルールでは

  • 門前:3翻
  • 鳴き:2翻

とすることがあります。
「門前でここまで難しい役を作ったなら、少しごほうびを増やそう」という考え方です。

どちらのルールでも共通しているのは、鳴きでも役が消えないことです。
ポンや槓を使っても三色同刻は成立するので、「三色同刻=三色同ポン」と呼ばれることもあります。

三色同刻の実戦的価値と狙い方

ここからは「知識」から一歩進んで、実戦でどう扱うかを考えていきます。
レア度・確率・狙うべき局面・複合しやすい役をセットで理解しておきましょう。

▼この章で理解できること

  • 三色同刻の出現確率と、どれくらいレアなのか
  • どんな局面なら「狙ってもよいか」の判断基準
  • 三色同刻と相性の良い役、複合での打点イメージ
  • Mリーグなどで話題になるレベルの役である理由

三色同刻のレア度と確率

三色同刻は、数字上も体感上も「役満級にレア」な役です。
統計的には、出現率はおおよそ0.04〜0.05%程度と言われています。

これは、役満の代表である四暗刻とほぼ同レベル、あるいはそれ以上に見ないというイメージです。
実際に、

  • 長く麻雀を打っていても、一度も三色同刻をアガったことがない人
  • 何百、何千半荘を打って、ようやく1回見たという人

も少なくありません。

麻雀の慣れている方でも、いまだに「三色同刻でアガったことがない」というも一定います。このように三色同刻子は非常にレアな役なのです。

このレア度に対して、翻数は2翻しかありません。
このギャップから、三色同刻は「幻の2翻役」と呼ばれることがあります。

三色同刻を狙う局面判断

レアでロマンのある役ですが、実戦では「最初から決め打ちで狙う役ではない」と考えるのが基本です。
狙う/狙わないの判断の目安を整理します。

狙いを意識してよい場面

  • すでに同じ数字の刻子(または対子)が2種類そろっている
  • 例:手牌に「2m2m」と「2p2p」がある
  • 他の有力な手役があまり見えていない
  • 局面に時間的な余裕がある(東場序盤など)
  • 点棒状況で、多少のリスクを取ってもよい

このような場面では、「あと1種で三色同刻になるな」と意識だけしておくのがおすすめです。
残り1種の同じ数字において、「ポンで仕上げにいくか」「無理せず別の役に切り替えるか」は、その局と点棒状況を見ながら決めます。

無理に狙うべきではない場面

  • まだ同じ数字の刻子・対子が1色しかない
  • すでにタンヤオ・三色同順・一気通貫など、現実的な役が見えている
  • オーラスでアガリトップがはっきりしている、など「上がり優先」の局面
  • 放銃リスクを減らしたい守備重視の場面

特に、「1組だけできたから、残り2組を無理に作ろう」は危険です。
刻子に寄せると手が重くなり、速度でも守備でも不利になりやすいからです。

結論としては、
「2種そろったら、あと1種を少しだけ意識する」くらいが実戦的なバランスといえます。

三色同刻と複合しやすい役

三色同刻は刻子を3組以上使う役なので、刻子系・老頭牌系の役と特に相性が良いです。
複合しやすい代表的な役と、ざっくりした打点イメージを見ていきます。

【三色同刻 + 対々和(トイトイ)

    三色同刻 + 対々和(トイトイ)
s111666中中 m111 p111

    三色同刻を作る時点で、すでに3面子は刻子なので、残り1面子も刻子にすれば自然に対々和と複合します。

    • 三色同刻:2翻
    • 対々和:2翻
    • 合計4翻(満貫)

    三色同刻 + 混老頭(ホンロウトウ)

      三色同刻 + 混老頭(ホンロウトウ)
s111999中中 m111 p111

      混老頭は「1・9と字牌だけで手牌を構成する役」で、面子は必ず刻子になります。1か9の三色同刻を作れば、となり、混老頭と対々和が同時に満たされます。

      • 三色同刻:2翻
      • 混老頭:2翻
      • 対々和:2翻
      • 合計6翻(跳満確定)

      【三色同刻 + 三暗刻(サンアンコウ)

       三暗刻は「暗刻を3つ作る役」です。
       三色同刻の3つの刻子をすべて暗刻で作れば、そのまま三暗刻と複合します。

      • 三色同刻:2翻
      • 三暗刻:2翻
      • 合計4翻(満貫)

      いずれも難易度は高いですが、完成すると2翻どころではない打点になります。
      「自然に刻子が増えてきて、これらの役も見えている」ときは、一度手牌全体を見直してみる価値があります。

      他にも複合する役はありますので、詳細を確認したい方は、麻雀役の一覧を参考ください。

      てりやき
      てりやき

      三色同刻は単独では割に合わないことが多いですが、対々和・混老頭・三暗刻などと絡むと一気に破壊力がでてくるよ。「三色同刻が見えたら、他にどんな刻子系の役が一緒につきそうか」をセットで考えると、手作りの幅が広がるよ。

      三色同刻の注意点とQ&A

      最後に、三色同刻ならではの落とし穴や、よくある疑問をまとめます。
      フリテンや役なしロンのようなトラブルを避けるためにも、ここで一度整理しておきましょう。

      ▼この章で理解できること

      • 三色同刻を狙うときに陥りやすい失敗パターン
      • フリテン・片アガリ・役なしロンへの具体的な注意点
      • よくある質問へのQ&A形式の回答
      • 実戦での最終的な指針と、「どんなスタンスで向き合うべきか」

      三色同刻で陥りやすい罠

      三色同刻は、形そのものがレアであるうえに、待ちの形もややこしくなりがちです。
      特に注意したいのは、次のような罠です。

      片アガリによるフリテン

        • 1m1m4m4mを持っていて、「1m4mのシャンポン待ち」になっていて、4mで三色同刻が確定するとします。
        • ここで、もし先に1mが捨てられたのを見逃して
        • そのあとに出た4mでロンした場合 直前の1筒を見逃しているので、同巡フリテンとなりロンできません。
        • 4mで三色同刻が完成するから」とテンションが上がっていると、うっかり見逃しに気づかないことがあります。

        対策としては、下記を意識することが大切です。

        • 三色同刻だけの片アガリの手牌をできるだけ作らない
        • 他の役(リーチ・タンヤオ・対々和など)も同時に付く形を意識する

        三色同刻がなくてもアガれるようにしておけば、片アガリ・役なしのリスクをかなり減らせます。

        三色同刻のよくある疑問Q&A

        よくある疑問をQ&A形式でまとめます。

        Q1. 三色同刻は鳴いてもいいの?

        A. はい、鳴いても問題ありません。
        ポン・明槓をしても、翻数は2翻のままです。
        むしろ、三色同刻は鳴きを絡めないとほぼ完成しない役なので、積極的にポンしていくケースが多いです。

        Q2. 三色同刻と三色同順は同時に成立する?

        A. ルール上は形として同時に満たすことは可能ですが、実戦上ほぼありえません。
        4面子のうち3つを刻子に使う三色同刻と、3色で順子をそろえる三色同順は、構造上ほとんど両立しないからです。
        理論上は例外的な形もありますが、「同時に狙うものではない」と考えてかまいません。

        Q3. 三色同刻は役満と複合しないの?

        A. 形としては複合していても、点数計算では役満のみがカウントされます。
        四暗刻+三色同刻の形でも、得点上は四暗刻だけという扱いです。

        Q4. どのくらいの頻度で狙えばいい?

        A. 「配牌から三色同刻を目指す」という考え方はおすすめしません。
        同じ数字の対子・刻子がすでに2色そろったときにだけ、少し意識する程度がちょうどいいです。

        三色同刻のまとめと実戦指針

        最後に、三色同刻とどう付き合うかの実戦指針を整理します。

        1. 基本スタンス
          • 三色同刻は配牌から決め打ちしない
          • 自然に同じ数字の刻子・対子が2色そろったら、「あと1色で三色同刻だな」と軽く意識する
          • 他の現実的な役(タンヤオ三色同順一気通貫など)が見えているなら、そちらを優先
        2. 打点イメージ
          • 三色同刻単独2翻だと、難易度のわりに打点は控えめ
          • 対々和混老頭三暗刻などと複合すると、一気に満貫〜跳満級の手になる
          • 「複合したらラッキー」くらいの感覚で、刻子系の手とセットで考える
        3. 進行のバランス
          • ポンを多用すると手は速くなりますが、守備力は落ちます
          • 一部は暗刻のままにして三暗刻やリーチとの複合も意識する、などバランス感覚が大切です
          • 特に終盤やオーラスは、「ロマンより結果」を優先する判断も重要です
        4. 落とし穴の回避
          • 三色同刻だけを頼りにする片アガリは避ける
          • フリテンや役なしにならないよう、自分が切った牌・見逃した牌を冷静に確認する
          • 不安なときは、素直にリーチやタンヤオなど、他の役でのアガリを優先してもかまいません
        てりやき
        てりやき

        三色同刻は「知っておくと楽しみが増える」役なんだけど、「それだけを追いかけると手が歪む」役でもあるよ。2色そろったときにだけ少し欲張ってみる、そのくらいの距離感で付き合うと、実戦でもムリなく活かせるよ

        総括:三色同刻を実戦でどう活かすか

        ここでは、この記事全体の要点をコンパクトにまとめます。
        復習しながら、自分の打ち方にどう取り入れるかをイメージしてみてください。

        💡この記事で押さえておきたい混老頭の要点:

        • 三色同刻は「萬子・筒子・索子で同じ数字の刻子(槓子可)を3組そろえる」2翻役で、残り1面子と雀頭は自由。
        • 鳴いても食い下がりせず2翻のまま。ローカルでは門前3翻・鳴き2翻とするルールもあるが、どちらにせよ鳴きOK。
        • 三色同順との違いは「刻子か順子か」。三色同順は実用的な主力役、三色同刻は四暗刻級の超レア役で「幻の2翻役」と呼ばれる。
        • 出現率は約0.04〜0.05%とされ、Mリーグでもいまだ正式な和了例がないほど。チャンスが見えるだけでニュースになるレベル。
        • 実戦では配牌から決め打ちせず、同じ数字の対子・刻子が2色そろったときにだけ軽く意識するのが現実的。
        • 対々和・三暗刻・混老頭・タンヤオ・チャンタなどと複合しやすく、うまく絡めば満貫〜跳満級の高打点が狙える。
        • シャンポン待ちのフリテン、自分で必要牌を切ることでのツモ限定、三色同刻だけに頼った片アガリ・役なしロンには特に注意。
        • 役満(四暗刻など)と同時形でも、得点計算では役満優先で三色同刻は不計算となるのが一般的なルール。
        • プロ対局では、点棒状況と手の効率を優先し、ロマンだけで三色同刻を追うことは少ない。チャンスが自然に訪れたときだけ狙う姿勢が基本。

        このポイントを踏まえれば、三色同刻は「無理に追いかけて手を壊す役」から、「たまたま見えたときに正しく判断できる役」に変わります。
        まずは、同じ数字の対子・刻子が2色そろった場面で、「ここから三色同刻もあるな」と一度だけ立ち止まるところから始めてみてください。
        それだけでも、いつか自分の卓に「幻の三色同刻」が舞い降りる可能性が、ぐっと高まります。

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