流し満貫は「河（捨て牌）の内容」だけで決まる、少し特殊な状況役です。
ローカル役ですが、ネット麻雀では採用が多く、覚えておくと点数計算でも戦略でも得をしやすいルールです。
この記事では、流し満貫の成立条件・確率・点数・ルール差・戦略・対策までまとめます。
自分の打っているルールでどう扱われるのかを確認しながら読んでみてください。
この記事を読むと、「流し満貫のいつ狙うの？」、「配牌が悪い時どうすればいいの？」という疑問が解消され、勝率ＵＰ間違いなしです！
💡この記事で理解できるポイント
- 流し満貫の定義と、標準的な成立条件の具体的な中身
- 親子別の点数と、「和了扱い」と「流局扱い」での精算の違い
- 採用ルールの傾向（競技・ネット・三麻）と確認すべきポイント
- 狙う／やめる判断基準、国士無双との比較、相手への対策とQ&A
流し満貫とは？成立条件・確率の基本情報
まずは、流し満貫とはどんな役で、どんな条件がそろうと成立するのかを整理します。
ローカル色が強い役なので、「一般的な標準ルール」と「よくある細かい違い」を分けて覚えるのが大切です。
流し満貫とは？条件と確率
流し満貫は、局が流局したとき、自分の捨て牌がすべて么九牌（1・9・字牌）で、なおかつ一度も鳴かれていないときに成立する「満貫相当の状況役」です。
ポイントは次の3つです。
- 手牌の形は関係なく、「河（自分の捨て牌）」だけを見て判定する
- 成立するのは基本的に「荒牌流局したとき」だけ
- 多くのルールで「満貫ツモ」と同じ価値を持つ
普通の役は「手牌の形」で決まりますが、流し満貫は「どういう牌を捨て続けたか」で決まります。
このため「状況役」と呼ばれることもあります。
※流し満貫には「流満貫」「么九振切（ヤオチューふりきり）」といった別名もありますが、内容は同じです。
そして、流し満貫の確率は約0.03%とされており、比較的成立しづらい部類の役になります。
荒牌流局が前提になる理由
流し満貫は、誰もアガらずに牌山を最後まで使い切ったとき（荒牌流局）だけ成立するのが基本です。
途中で誰かが和了してしまったら、その時点で局は終わるので、当然流し満貫にはなりません。
具体的には次のような場合は不成立です。
たとえば、序盤から1・9・字牌だけを捨て続けていても、誰かが安い1000点でアガった時点で流し満貫の可能性は消えます。
逆にいうと、「誰もアガりそうにない局」「全員の手が重くて進んでいない局」ほど、流し満貫のチャンスが残りやすいともいえます。
捨て牌と鳴きの条件
標準的なルールでの成立条件を、1つずつ整理します。
手牌がテンパイしているか・門前かどうかはほぼ関係しない点が重要です。
①自分の捨て牌が、最初から最後まで「1・9・字牌だけ」
- 数牌の2〜8を1枚でも捨てた瞬間に不成立です。
- 途中で2〜8を切ってから、また1・9・字牌だけに戻してもダメです。
- 例：1m 9m 東 南 白
…と続いていればOKですが、途中に
等が1枚混じった時点でアウトです。
②自分の捨て牌から、他家に一度もポン・チー・明カンされていないこと
③自分が鳴いているかどうかは不問（自分の鳴きはOK）
④テンパイしている必要はない
（注意）流し満貫の成立によくある勘違い
流し満貫の点数と精算方法
次に、流し満貫が成立したときの点数とお金の動き（点棒移動）をまとめます。
特に「和了扱い」と「流局扱い」で、供託棒や積み棒、親番の処理が変わるので、ここをしっかり押さえておきましょう。
親子別の基本点数
多くのルールで、流し満貫の点数は「満貫」相当の固定点です。
四人麻雀の標準的な点数は次の通りです。
| 立場 | 受け取る合計点 | 支払い側の内訳 |
|---|---|---|
| 子 | 8000点 | 親が4000点／他の子2人が各2000点 |
| 親 | 12000点 | 子3人が各4000点 |
ツモ満貫と同じ支払いイメージです。
「放銃者がいない状態で満貫をツモった」扱いに近いと考えると覚えやすいです。
ローカルによっては、倍満・三倍満・役満扱いなどにしているケースもありますが、ネット麻雀や一般的なセットではほぼ満貫扱いだと思って構いません。
和了扱いの流し満貫精算
まずは、比較的わかりやすい「和了扱いルール」です。
この場合、流し満貫 = 満貫ツモとして完全に処理されます。
主なポイントは以下の通りです。
この形を選ぶメリットは、「ルール説明がシンプル」であることです。
「満貫ツモと同じ扱い」と覚えてもらえれば済むため、セット麻雀でも採用しやすいです。
逆にデメリットは、運要素が増えすぎると感じる人がいることです。
競技志向が強い場では、「河の内容だけでいきなり満貫が飛び出す」のを好まない層もいて、そのため採用しない団体も多くなっています。
流局扱いの流し満貫精算
次は「流局扱いルール」です。
この場合、見かけ上は普通の荒牌流局をしつつ、そのタイミングで特別ボーナスとして満貫をつけるイメージです。
主なポイントは以下です。
見た目は「誰もアガっていないのに点棒が大きく動く流局」という感じになるので、実戦で一度体験すると覚えやすいでしょう。
自分のルールが「和了扱い」か「流局扱い」かで、供託棒・積み棒・親番が大きく変わるよ。初めての卓では、ルールを確認してからゲームを始めるがおすすめだよ。
流し満貫のルール差と採用状況
ここでは、「どんな場で採用されているか」「競技ルールとネット麻雀で何が違うか」を整理します。
流し満貫はローカル色が強いので、「自分の環境でどうなっているか」を自分で調べる力が大事です。
流し満貫の和了扱いルール
まず、「和了扱い」で流し満貫を採用しているケースです。
この場合、局の終わり方は完全に「ツモ和了」と同じになります。
採用例としては、下記などがあります。
この形は、ルール説明のしやすさと「わかりやすいご褒美感」がメリットです。
流し満貫の流局扱いルール
次に、「流局扱い」にしているルールです。
採用例としては、下記などがあります。
この形は、流れとしては「普通の流局」をベースにしつつ、「テンパイ料精算を満貫精算に置き換える」イメージです。
ゲームバランスの面では、和了扱いに比べて以下のような特徴があります。
- 親番処理や積み棒など、多くの要素が既存のルールと整合しやすい
- 供託リーチ棒を流し満貫で回収できないことが多く、「運だけで一気に逆転」という展開を抑えられる
- 競技寄りの感覚を残しつつ、ロマン役として楽しめる
どちらが良い悪いではなく、自分が打つ場でどちらが採用されているかを知ることが最優先です。
ネット麻雀と競技での流し満貫
ざっくりまとめると、次のような傾向があります。
- 競技麻雀（プロ団体の公式ルール・タイトル戦など）
→ 不採用が多数派。
日本プロ麻雀連盟、日本プロ麻雀協会、101競技連盟など、多くの競技団体で流し満貫は公式採用していません。 - 一般のセット・フリー雀荘
→ 店やメンツごとにバラバラ。
採用している店も多く、「和了扱い」「流局扱い」のどちらかを決めていることがほとんどです。 - ネット麻雀・アーケード麻雀
→ 採用しているサービスが多い。
とくに天鳳や雀魂では「流局扱い」で実装されていて、普段からよく目にする人も多いはずです。
初めての場所で打つときは、少なくとも次の3点は事前に確認しておきましょう。
流し満貫は「ある前提」で戦うか、「ない前提」で戦うかで押し引きや戦略が変わるよ。特にネットとリアルでルールが違うことが多いから、その場のルール表や卓上表示は必ず一度チェックしてみてね！
流し満貫の戦略と他役比較
最後に、実戦で流し満貫をどう扱うかを考えます。
どんな配牌で狙う価値があるのか、国士無双との違いは何か、相手が狙っていそうなときにどう妨害するかを整理します。
流し満貫を狙う配牌と局面
結論から言うと、流し満貫は「最初から全力で狙う役」ではありません。
むしろ、「手が全然育たない局の救済策」「自然に条件を満たせそうなときのボーナス」として意識すると、バランスが良くなります。
狙う・意識するタイミングの目安は次のようなイメージです。
【1～6巡目(1段目)】
- 1・9・字牌がやたら多い配牌でも、まずは他の手も視野に入れます。
- ここでは「とりあえず中張牌（2〜8）の処理を急がない」程度の意識で十分です。
【7～12巡目(2段目)】
- 自分の河を見て「・9・字牌しか出ていない」状態なら、流し満貫を候補として意識し始めるタイミングです。
- 手が全くまとまっておらず、他家のリーチ気配もまだ薄いなら、「このまま1・9・字を優先的に切って様子を見る」選択が出てきます。
【13巡目以降(3段目)】
- ここまで来て、流し満貫を本格的に狙う価値がかなり上がります。
- すでに河が1・9・字だけで、他家が鳴いてこないなら、そのまま流局まで押し切ることも十分現実的です。
やめる判断も重要です。
次のようなときは、流し満貫狙いをあきらめて通常の手に戻した方がいい場合が多いです。
- 誰かが早いリーチをかけてきた
- 他家が和了に向けて明らかに仕上がっている（仕掛けが進んでいる）
- 自分の手が思ったより進み、メンゼン高打点が十分に狙える形になった
「早い段階で無理に条件を守ろうとして、いつもと違う打ち方をすること」をしないことが、流し満貫をうまく扱うコツです。
また、流し満貫を諦めて、他役を狙いに行く場合もあるので、他役も知っておいたほうが無難です。麻雀の他役にどんなものがあるかについては、麻雀役の一覧を参考にしてみてください。
流し満貫と国士無双の比較
1・9・字牌が多い配牌だと、「国士無双に行くか、流し満貫を見ながら打つか」で迷いやすいです。
両者をいくつかの観点で比べてみましょう。
- 必要な牌の縛り
- 国士無双：13種類の1・9・字牌を集める必要がある役満。特定の牌を他家に独占されると一気に苦しくなります。
- 流し満貫：捨て牌が全て1・9・字牌であればよく、手牌の種類は問われません。特定の牌を独占されても、成立そのものには直結しません。
- 読まれやすさ・妨害されやすさ
- 国士無双：序盤から中張牌を大量に捨て、1・9・字牌を抱え込むため、河から読まれやすく、他家に強く警戒されます。
- 流し満貫：河には1・9・字牌しか並びませんが、「単にいらない字牌を切っている」「タンヤオに寄せている」とも見え、狙いがバレにくいです。
- 期待値・打点
- 国士無双：成立すれば役満で絶大な打点。ただし和了るまでに他家に鳴かれてアガられたり、必要牌を独占されたりするリスクも大きいです。
- 流し満貫：打点は満貫固定と控えめですが、配牌が悪い局でも狙える「リスクの小さい救済役」として優秀です。
- 成立までの進行
- 国士無双：テンパイしたのに他家が全く当たり牌を切らない、そもそもテンパイまで行けない、ということも多いです。
- 流し満貫：自分で牌を捨て続ければ条件に近づいていきますが、途中で鳴かれたり、誰かが和了ったりすると失敗します。
同じような配牌でも、
といった考え方をすると、バランス良く立ち回れます。
相手の流し満貫への対策とQ&A
最後に、相手が流し満貫を狙っていそうなときの妨害方法と、よくある疑問をまとめます。
基本の妨害手段は2つです。
- 誰かがアガる
→ 誰でもいいのでロン・ツモが出れば、その局は流局になりません。
流し満貫は「荒牌流局」が前提なので、これだけで成立を防げます。
終盤で相手の流し満貫がほぼ確定しているなら、自分の手が安くてもアガリに行く価値があります。 - 狙っていそうな相手の河から鳴く（ポン・カン）
→ 相手の捨て牌から一度でもポン・チー・明カンすれば、その瞬間に流し満貫の条件が崩れます。
自分の手が悪くなったりテンパイが外れたりしても、ルール上のペナルティはありません。
特に、残り数巡で相手の河が1・9・字だけに見えているときは、無理をしてでも鳴いて潰す価値が高いです。
よくある流し満貫のQ&Aも整理しておきます。
流し満貫は「積極的に狙う役」よりも、「配牌が悪い局の保険」「終盤に自然と条件がそろったときのご褒美」として捉えると失敗が減るよ。
相手の河が1・9・字牌だらけに見えたら、終盤ほど「誰かがアガる／鳴いて崩す」の2択を強く意識してみるのが良いよ。
総括：流し満貫を実戦で活かすために
最後に、この記事の要点をまとめます。
実戦で迷ったときは、ここだけ見返してもらえれば大丈夫です。
💡この記事で押さえておきたいポイント：
流し満貫を正しく理解しておけば、配牌が悪い局でも「まだ満貫のチャンスがある」と前向きに戦えます。
自分のよく打つルールでの扱いを一度整理し、実戦で少しずつ意識してみてください。
コメント